2014/10/28

Send a wish upon a star


たえずあちらこちらに、
花咲く枝が風の中で動く。
たえずあちらこちらに、
私の心は子どものように動く、
明るい日と暗い日の間を、
願いと諦(あきらめ)めの間を。

 
Immer hin und wider
Strebt der Blütenzweig im Winde,
immer auf und nieder
Strebt mein Herz gleich einem Kinde
Zwischen hellen, dunklen Tagen,
Zwischen Wollen und Entsagen.





花が風に散り、
枝が実もたわわになるまで、
心が幼さに飽いて、
落ちつきを持ち、
人生のあわただしい戯(たわむ)れも
楽しさに満ち、むだではなかった、と告白するまで。



Bis die Blüten sind verweht 
Und der Zweig in Früchten steht, 
Bis das Herz, der Kindheit satt, 
Seine Ruhe hat 
Und bekennt: voll Lust und nicht vergebens 
War das unruhvolle Spiel des Lebens.


 

花咲く枝
ヘルマン・ヘッセ

風景や蝶々などの水彩画もよくし、南ドイツの風物のなかでの穏やかな人間の生き方を
画いた作品群の他に、ヘッセの絵を添えた詩文集は、今でも人気がある。
1946年に『ガラス玉演戯』などの作品でノーベル文学賞を受賞した。
 
Der Blütenzweig
Hermann Hesse



この世のあらゆる書物も
あなたに幸福をもたらしはしない。
だが、書物はひそかに
あなたをあなた自身の中に立ち帰らせる。


 
Alle Bücher dieser Welt
Bringen dir kein Glück,
Doch sie weisen dich geheim
In dich selbst zurück.



あなた自身の中に、あなたの必要とする一切がある、
太陽も、星も、月も。
あなたのたずねた光は、
あなた自身の中に宿っているのだから。



Dort ist alles, was du brauchst,
Sonne, Stern und Mond,
Denn das Licht, danach du frugst,
In dir selber wohnt.




 あなたが長い間
万巻の本の中に求めた知恵は
今どのページからも光っている、
それはあなたのものなのだから。


Weisheit, die du lang gesucht
In den Bücherein,
Leuchtet jetzt aus jedem Blatt -
Denn nun ist sie dein.




書 物 / ヘルマン・ヘッセ
 “Bücher”
Hermann Hesse




秋も深まりましたね。

Greetings as autumn begins to enfold.