O blue monotony of my heart !
Blue with languor are my dreams,
When the mournful moonlight seems
Clearer vision to impart:
胸にある 青き愁(うれひ)よ、
さいはひを 求めてやまず、
よよと泣く 月の光に
Blue as is the house of shade,
Close within whose lofty green
Casements whose pellucid screen
Seems of crystal moonlight made,
Close within whose lofty green
Casements whose pellucid screen
Seems of crystal moonlight made,
この青き 愁の室(むろ)に
さしよりて 透見(すきみ)をすれば、
ぐらす戸(ど)の 緑のあなた、
月を浴び、玻璃(はり)に覆はれ、
Mighty vegetations rise,
Whose nocturnal shadow deep,
Silent as a charmed sleep,
Over passion's roses lies
Mighty vegetations rise,
Whose nocturnal shadow deep,
Silent as a charmed sleep,
Over passion's roses lies
生ひ繁る葉(は)もの、花(はな)もの、
夢の如く、不動に立ちて
宵よひは、忘我の影を
Where slow-rising waters gleam,Mingling moon and heaven, and throb
In one eternal glaucous sob,
Monotonously as in a dream.
水は、はた、ゆるく噴きいで、
薄雲る不断の息に、
月影と空とをまぜて、
夢の如く節(ふし)もかはらず。
上田 敏 訳
The House of Lassitude / 愁のむろ(温室)
昨日はどこにもありません
あちらの箪笥(たんす)の抽出し(ひきだし)にも
こちらの机の抽出しにも
昨日はどこにもありません
それは昨日の写真でしょうか
そこにあなたの立っている
そこにあなたの笑っている
これは昨日の写真でしょうか
Today's clock marking today's time
起雲閣
Kiun-kaku, a touch of elegance in Atami
The Kiun-kaku structures, an elegant mix of Asian and Western styles,
were once used as a hotel loved by a number of intellectuals, including
novelists Naoya Shiga, Junichiro Tanizaki and Yukio Mishima.
It was here that Osamu Dazai finished “Ningen Shikkaku” /
“ No Longer Human ”, a masterpiece of the modern Japanese novel,
shortly before his 1948 suicide in Tokyo.
いいえ昨日はありません
今日を打つのは今日の時計
昨日の時計はありません
今日を打つのは今日の時計
昨日はどこにもありません
昨日の部屋はありません
それは今日の窓掛けです
それは今日のスリッパです
昨日の部屋はありません
それは今日の窓掛けです
それは今日のスリッパです
今日悲しいのは今日のこと
昨日のことではありません
昨日はどこにもありません
今日悲しいのは今日のこと
いいえ悲しくありません
何で悲しいものでしょう
昨日はどこにもありません
何が悲しいものですか
何で悲しいものでしょう
昨日はどこにもありません
何が悲しいものですか
Yuzo Yamamoto ・ Naoya Shiga ・ Junichiro Tanizaki
You were standing there yesterday.
You were laughing there yesterday.
There is no yesterday anywhere.
昨日はどこにもありません
そこにあなたの立っていた
そこにあなたの笑っていた
昨日はどこにもありません
三好 達治
Tatsuji Miyoshi
太宰治は ここ起雲閣で「人間失格」を執筆した後 自ら命を絶ちました。
この建物に残っている 昔日の色褪せたような空間がそうさせたのでしょうか?
私にも、以前どこかで見たか、記憶の中の場所
幼い頃過ごした 西宮の祖父母の家や須磨の親戚の隣家のような
既視感(déjà-vu)を覚える 不思議な佇まいでした。
Déjà vu , What does it all mean?
既視感って 一体何なんでしょうね?
I offer silent prayers for the victims in 3.11, 2011.
Hi! Nice captures and afascinating poem. I just visited Kiunkaku at Atami a fw days ago. Thanks for sharing.
返信削除Minoruさん はじめして。
返信削除お越し頂き、初コメント 嬉しく思います。 (*´∇`*) ♪
熱海梅園の梅が今見頃なのでしょうか? 私も以前 梅の咲く頃 熱海駅から その時期は満員の循環バスに乗って梅園、起雲閣を訪ねようと 当日の朝思い立って出掛けたところ なんと休館日でした。(笑)
今回は 昨年 酷暑の夏 ワンコも泊まれる古屋旅館に宿泊した翌日 家族で訪れました。 ワンコは起雲閣斜向かいにあるペットトリミング店でカットをしてもらい、私達はおかげでゆっくり見学できました。U。・ェ・。U
横浜は長いですが、東京は未だに知らないところだらけです。
これからもよろしくお願いします!
さすが文豪達が愛した素敵な建物ですね。奈良にも志賀直哉邸が保存されていますが、上からや側面からの採光を十分考えたガラス張りの建具、日本建築の良さを取り入れたデザインなど共通点が見られます。床の総タイルも美しいですね。写真がその魅力を存分に伝えてくれています。3人の文豪が並んだ写真、三好達治の詩がぴったりでさすがのコラボですが、何か誇らしく感じさせるような存在感ですね。
返信削除cosmosさん こんにちは。
削除多くの文筆家がこの場所を愛した理由は 熱海の海の幸、温泉、穏やかな気候などもあったのかもしれませんね。 関西にも文豪ゆかりの場所が多くありますね。一度、蘆屋の谷崎記念館に足を運んでみたいと思っています。
この3月の三連休に金沢、山代温泉を訪れる予定です。その際 少し足を伸ばして三好達治の記念碑が建つ福井県三国の街並み、海岸線で彼が愛したであろう風景を探せる時間があればいいなぁと思っています。
この歳になると 古寺やゆかりの場所が気になります。(笑)(*'ー'*) ♪
福井は先日、また我々姉妹夫婦でふぐを食べに行ってきました^^ 三好達治の記念碑は知りませんでした。でも福井の地にとても魅力を感じました。奈良との深い縁も。「海のある奈良」と言われているそうです。人口約3万にして、古いお寺の多い事。静かな簡素なたたずまいと、そこにおられる仏像、観音様により深い敬愛の念を抱きました。訪ねてみたい所はまだまだ残したままです。楽しんできてくださいね。
削除p.s ふぐもとても美味しかったですよ (^ー^)
cosmosさん 関西近郊は志賀直哉の代表作 「城崎にて」のカニだったり、フグだったり ほんとうに美味しいものが一杯ありますね。 福井情報ありがとうございます。 海のある奈良とは!一泊二日でどこまで可能なのかわかりませんが、永平寺も行程に入れているので仏像をじっくり見てみますね。 仲の良いご家族でのご旅行はさらに楽しいことでしょう。 いいですね!
削除とても素敵な場所ですね。文豪がここで何を想ったか考えるのも楽しいですね。
返信削除cocominoさん こんにちは。
削除ゆかりの場所で彼らが見た風景を追うような
気持ちに余裕のある旅ができればいいなぁと思います。
和洋(時には中)折衷の特に昭和初期のお屋敷はデジャヴ感があります。庭と一体に見える広縁と和室+洋室があると私が生まれた実家を思いだし、そんな感じになってしまいます。ステンドグラスの天井と欄間は見事ですね、これまで見たことがありません。心模様を色で再現なさるAnzuさんの編集の腕もすばらしい!
返信削除Googleアカウントを選んでいるのですが、プレビューでは「匿名さん」になっています。公開後はどうなるでしょう?
洋子 alias stardust
Yokoさん こんにちは。
削除阪神間で幼い頃を過ごされたで洋子さんもきっと同じ感覚を持たれているに違いないと想っていました。庭に佇む三人それぞれの洋和装にもその時代の雰囲気が感じられ、自信たっぷりの文豪はお洒落ですね。 写真は頭の中にある記憶の場所をそれとなく再現してみました。 お褒め頂けて嬉しいです。
アカウントでは、何故か?失礼な状況で申し訳ありません。 公開後ではしっかり洋子さんのアカウント名が表示されていて少し安心しました。
まだまだ寒暖の差が大きいですね。 どうぞご自愛ください。
静寂という言葉が良くにあう建物ですね。このような存在があるとは、うれしい発見です。 また文豪たちの写真は興味深いです。彼らの小説はほとんど読んでいます。面白く、詩的なブログ楽しめました。
返信削除はじめまして! ようこそお越し頂きました。 ヾ(=^▽^=)
削除とても嬉しいコメントをありがとございます。 また、よければお立ち寄りくださいね。
Thanks so much (*´∇`*) to your Peko Peko: Cookbook
which will be donated to the Global Giving
Japan Earthquake and Tsunami Relief fund.
Anzuさん、ご無沙汰しております。
返信削除別荘というだけあってとても広い建物に広大な日本庭園ですね。吹き抜けみたいなガラスの天井には驚きました!掃除が大変でしょうねぇ。
僕は何故か松の木が子供の頃から苦手で、その為か盆栽が一杯置いてある祖父母の家に預けられるのがちょっと苦手でした。太宰もそんな理由で自殺しちゃったんでしょうかね?^^
今度日本に帰国したら改めて人間失格読んでみたいと思います。
ブログへのコメントいつもありがとうございます^^
お体ご自愛ください。
Y.
Yoshiさん 松の木や太宰。 面白いつっこみをして頂けて楽しいです。
削除作りこまれた盆栽の松は確かに不自然ですね。 それが沢山あると生き物のようで怖いかも (笑) 私は祖父母の家で過ごす夜、天井の節目や柱時計の音が薄気味悪かったです。 子供頃の記憶って案外長く残るものですね (^▽^;)