なにかしら とほくにあるもののすがたを
ひるもゆめみながら わたしはのぞんでゐる。
それは
ひとひらの芙蓉の花のやうでもあり
ながれゆく空の 雲のやうでもあり
わたしの身を うしろからつきうごかす
よわよわしい しのびがたいちからのやうでもある。
さうして 不安から不安へと
砂原のなかをたどつてゆく
わたしは いつぴきのあをい馬ではないだろうか。
「あをい馬」
大手拓次
風のやうにおまへはわたしをとほりすぎた。
葉のなかに眞夜中をねむる風のように
風のやうにとほりすぎた。
四月だといふのにまだ雪の深い北國へかへるおまへは
どんなにさむざむとしたよそほひをしてゆくだろう。
みしらぬお前がいつとはなしに
私の心のうへにちらした花びらは
きえるかもしれない
けれども、おまへのいたいけない心づくしは
とほい鐘のねのやうに
いつまでもわたしをなぐさめてくれるだろう。
大手拓次
手をあはせていのります。
ものまねきはしづかにおとづれます。
かほもわかりません
髪のけもわかりません
いたいたしくひとむれのにほひを背おうて
くらいゆふぐれの胸のまへに
花びらをちらします。
「花をひらく立像」
大手拓次
群馬県碓氷郡で鉱泉宿を営む二男として生まれた詩人
大手 拓次は かつて 萩原朔太郎、室生犀星とともに
北原白秋門下の三羽烏と云われる存在だった。
今年の5月、家族で訪れた
群馬県の碓氷峠、伊香保温泉、榛名湖、榛名神社
四万温泉、秘湯 法師温泉、谷川岳、富岡製糸場。
彼の詩とともに
家族旅行の写真を整理してみました。
四万温泉
詩人の墓は郷里にあり、生家近くの
碓氷川のほとりに詩碑が建てられているそうです。
Lonely rivers flow
To the sea, to the sea
To the open arms of the sea
Lonely rivers sigh
"Wait for me, wait for me"
I'll be coming home, wait for me
Lonely mountains gaze
At the stars, at the stars
Waiting for the dawn of the day
All alone I gaze
At the stars, at the stars
Dreaming of my love far away
I need your love
I need your love
God speed your love to me
At the stars, at the stars
Dreaming of my love far away
I need your love
I need your love
God speed your love to me