2014/04/16

The Ways of Time

Like a butterfly, my nostalgia...

蝶のやうな私の郷愁!


 The butterfly flies over hedges,
see the sea around the afternoon street-corner...

 蝶はいくつか籬を越え、午後の街角に海を見る・・・。


福井県 瀧谷寺

I hear the sea inside the wall...

私は壁に海を聴く・・・。

 
I shut my book; I lean against the wall

私は本を閉ぢる。 私は壁に凭れる。


It strikes two in the next room

隣りの部屋で二時が打つ。


‘Sea! Far-off sea !...’ I write down on the paper:

「海、遠い海よ!と私は紙にしたためる。


SEA. In our language you contain a mother in you

―海よ、僕らの使ふ文字では、 お前の中に母がゐる。


And MOTHER―in the language of the French,
you have the sea in you

そして母よ、仏蘭西人の言葉では、あなたの中に海がある。」

Nostalgia / 郷 愁
Tatsuji Miyoshi / 三好達治


As butterflies are but winged flowers,
Half sorry for their change, who fain,
So still and long they lie on leaves,
Would be thought flowers again.
 




 

蝶はただ羽根の生えた花だ
その変化をなかばなげき、望む
あんなにじつと長く葉の上にとまり
も一度花だと思われようと


Even so my thoughts, that should expand,
And grow to higher themes above,
Return like the butterflies to lie
On the old things I love.


私の思いも同じだ、ひろがり
高く上つていくはずなのに
もどつては蝶とおなじにとまる
私の好きなむかしのものの上に

by William Henry Davies (1871 - 1940)
The Ways of Time / 時のならわし


We took a trip to Ishikawa, Fukui in March
to see where the poet / Tatsuji Miyoshi and
the artist / Kitaōji Rosanjin found their inspirations.

It was an hour flight for the destination from HANEDA airport.
And then, we rent a car for a couple of days.

I would recommend
   a Japanese inn and hot spring,
 Araya Totoan Kaga Yamashiro.

 

山代温泉 あらや滔々庵

3月、私達は羽田からおよそ1時間の小松空港から
レンタカーで金沢市内、魯山人の愛した加賀 山代温泉
 福井県 永平寺三好達治の愛した三国の海を訪れました。
山代温泉ではカニの焼ける香ばしい匂いの夕食
閒けさに包まれた湯船に心癒される夜を過ごせました。
おすすめです。 




花ひらく時を待っている蕾のように
真っ暗な部屋の電球のように
春を待っている小学生のように

 私はあなたを ただ座って待っている
あなたが来てくれて
私に灯をともしてくれるのを

12 件のコメント:

  1. こんばんは。素晴らしいの一言です。Anzu 様の深遠な心の世界の一部を垣間見させていただきました。ブログは、日々の流れの中に消えさるものだという固定概念を打ち破る輝きがあります。 また暫く時が過ぎたら、見させていただきます。

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  2. Minoruさん 
    お褒めの言葉 ありがとうございます!
    ブログは自分の為だけではなく、皆さんに楽しんで頂けたら幸いですね。
    自分が感じた事は私の下手な英語ではほとんど伝わらないでしょうし、日本語でも難しいものですね。σ(^_^;)
    文人の言葉の力を借りて少しでも伝わればいいなと考えています。
    恐れ入ります。 さん付で呼んで頂ければとても嬉しく思います (^▽^)/ ♪ 

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  3. 行って来られたのですね。Anzuさんらしい思い出ショットの表現ですね。前回の(だったかな)の蕾の字にも、ハッと思ったのですが、海の中に母があり、フランス語では母の中に海がある・・・含蓄がありますね。言葉の響き
    自体に不思議な力があると言われていますが、文字も面白いですね。
    The Ways of Time、時のならわしという訳も成程なと思いました。 旅館、素敵ですね。

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    1. cosmosさん こんにちは! 
      北陸へ早春の旅は少々不安でしたが、「珍しいほどの晴天だ」 と仲居さんに笑われました。
      何故・・・・ 私のせい?
      海のある奈良と教えて頂いたとおり、福井県には 荘厳な永平寺、今まで感じた事のない 少々怖いような霊気漂う 瀧谷寺。(゚_゚i) いずれも桁違いの佇まいでした。 また、瀬戸内の開放的で軟派な海と違い、ふらっと飛び立ってしまいそうな 郷愁を誘う海。 近くにとある名所 (東尋坊)があるのも妙に頷けました。 ならわし という言葉馴染みがなくて私には難しいです。 日本も各地いろいろ違うものですね。

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  4. 福井県ですか。。行ったことはないですが雰囲気のよさそうな場所ですね。日本海もまた太平洋と違って落ち着きと趣がありますね。

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    1. cocominoさん こんにちは。
      コメント欄を開けたり、閉めたり 勝手で大変失礼をしています。
      4月も早や半ばを過ぎ、お嬢さんの小学生 新生活も少しは慣れてこられた頃でしょうか?
      福井県はこれまで made in Japan 眼鏡フレームの産地で有名な鯖江市を知るのみでした。
      海に母がある と言われて頷ける 沈む夕日を見る事ができたのは幸いでした。

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  5. ✿⊱°•
    O post está lindo... fotos maravilhosamente iluminadas.


    ¸.•°✿✿º°。

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    1. Mis palabras suyas están felices. =*^-^*=
      Muchas gracias!

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  6. 海は生命の源。フランス語も漢字も発想が似ていますね。「壁に海を聴く」- 連想ですが、唐招提寺の御影堂の東山魁夷画伯の海、波、岩の襖絵に囲まれて座っていると海の音が聞こえました。The Ways of Time - 作者に同感です。タゴールの詩でも蝶と時間が出てきます。トイレットペーパーの法則、ご存じですか?- 時は終わりが近づくほど速くまわる。年を重ねるにつれ、時間は瞬く間に過ぎて行きますが、常に「ゆっくりいこう」と自分に言い聞かせています。家族の事情で当分は遠出できませんが、Anzuさんのようにこのような旅館で至福の時間を味わいたいものです。

    Yoko

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    1. Yokoさん こんにちは。
      「壁に海を聴く」の新たな連想をご紹介頂き、唐招提寺の襖絵の前に心静かに座り、私も波の音を聴いてみたいと思います。 どこか神秘的なダゴールの詩を少し読んでみました。 多くの詩人が蝶と時間を詠むのも不思議ですね。 時のなりわい。 ゆっくり行こう。 皆さんに教えて頂いた言葉から、少しでも上手く生きていければと願います。 ありがとうございました。

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  7. “Last night at three”ですが、終末治療を家で受けている母のことなんです。同じ部屋で寝てくれている弟の話によると最近母が丑三つ時にたいてい一人でぶつぶつ言ってるらしいのです。ある日、私は母に誰と話しているのかを聞きましたら、その弟に話かけてるそうなんです。話しておきたいことがあるとかで・・・。弟寝不足です。もちろん母も。私は9時半ごろに神戸の家に着くのですが、母はお昼近くまでグーグー寝ています。幻覚や変な夢を見て不自由な足で歩き顔、腕、足にあざや内出血がありますが、骨折するといけないので、おかしな夢を防ぐ薬をいただいていますが、そのための副作用があり、また夜に寝てもらうために睡眠導入役を使うと翌日は呂律がよくまわらず足腰も脱力で・・・本当に薬ってむつかしいですね。痛まず苦しまずなるべく心穏やかにと先生にお願いしているのですが、次から次へと問題がおこり、在宅ホスピスも限度があるのかなぁと弱気になる反面、ここでがんばらなくてどうすると踏ん張っています。

    “I can love you back.” ゴマちゃんの優しい目に心がホロリ。

    自由奔放なAnzuさんていいなぁ。私は心は自由なつもりでも、生活でもブログでもなかなか殻をぬけだせません。いつもコメントありがとうございます。

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    1. 洋子さん ここまでお越し頂き、コメントをありがとうございます。 
      仲良くして頂いている皆様からコメントを頂ける事はとても嬉しいのですが、不特定多数の方に見られていると思うと気がひけてしまうこの頃です。 夜中の3時。この時間は世界的に見ても何か人が惑う時間のようですね。お母様が伝えたい事、それが誰に向けて何であるかはご本人も定かではないのかもしれませんね。そして日々お忙しくお過ごしの若くはないご家族にとって、その時間にお母様の言葉を聴くことは心身共に辛い事でしょう。 良いお薬と共に、お母様とご家族が日々穏やかに過ごされますよう心よりお祈りしています。  
       幸い、今は好き勝手に暮らさせてもらっている私です。きっとこんな訳のわからないブログが続けていられるうちが華なんだろうなぁと思います。 こちらこそ いつもありがとうございます!ヽ(=´▽`=)

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