2014/05/20

The may's in bloom

At Quincey's moat the squandering village ends,
And there in the almshouse dwell the dearest friends
Of all the village, two old dames that cling
As close as any trueloves in the spring.




クィンシイの堀ばた、家もまばらな村はずれ、
そこの養老院には、村中一ばんの仲よしの
二人の年老いた婦人が住まい、
春の戀人同士のようにいつも寄りそっている。


Long, long ago they passed threescore-and-ten,
And in this doll's house lived together then;
All things they have in common, being so poor,
And their one fear, Death's shadow at the door.
Each sundown makes them mournful, each sunrise
Brings back the brightness in their failing eyes.



とうの、とうの昔に人生七十の坂をこして、
それ以来この人形の家に一しょにいる、
ひどく貧しいので、かれらは何でも共有だ、
同じ一つの恐れ、「死」の影も二人の戸口にせまっている。
日が落ちるたびに悲しくなり、日がのぼるたびに
明かるみがかれらのおとろえる目にもどってくる。


How happy go the rich fair-weather days
When on the roadside folk stare in amaze
At such a honeycomb of flowers
As mellows round their threshold; 


 
豊かな良い天気の日には、いかにも幸福にすぎ行く。
路ばたで人々はおどろいて目を見はるのだが、
老女の戸口をめぐってまるでとろけるような、そして
蜜蜂の巣みたいに群がる花々だ。


 
As pleased as little children where these grow
In cobbled pattens and worn gowns they go,
Proud of their wisdom when on gooseberry shoots
They stuck eggshells to fright from coming fruits
The brisk-billed rascals;  



小さい子どものように喜んで、それらのそだつ庭を
 つくろった木履をはき、つかれた上着をきて歩み、
その智慧を得意げに、時をたえずスグリの若枝に
卵の殻をかぶせ、やがて実る果から
口ばし早い鳥どもを追い払う。



But when those hours wane,
Indoors they ponder, scared by the harsh storm
Whose pelting saracens on the window swarm,
And listen for the mail to clatter past
And church clock's deep bay withering on the blast;
They feed the fire that flings a freakish light
On pictured kings and queens grotesquely bright,
Platters and pitchers, faded calendars
And graceful hour-glass trim with lavenders.



だが時の移ろいに、
かれらは屋内で物思いにふけり、おびやかす激しい嵐の
窓うつ雨のサラセン軍勢がむらがるかと思われ、
また郵便馬車のとどろき通る音を待ちわび、
また風に消えゆく教會の鐘時計のうなりに耳をすますのだ。
爐(いろり)にもやす火の氣まぐれな光に照らされる
奇妙にけばけばしい王様や女王様の肖像畫、
木ざらに水差、色あせたカレンダー、
またラヴェンダの花に飾られた優美な砂時計。


Many a time they kiss and cry, and pray
That both be summoned in the self-same day,
And wiseman linnet tinkling in his cage
End too with them the friendship of old age,
And all together leave their treasured room
Some bell-like evening when the may's in bloom.



幾度も二人はキスして泣き、そして祈る。
二人とも同じ日に神様に召されますように、
また鳥籠にさえずる紅雀も
その同じ日まで老いの身の友となって共に召されますように、
そして一しょにかれらの大切な部屋を、五月
薔薇の花さく頃、鈴の音のような夕暮に去りゆくようにと。

養老院の二老女 抜粋
エドマンド・ブランデン

Almswomen / whole text
Edmund Blunden
From Millan.Net
From Millan.NetFrom Millan.Net
  
森は今、花さきみだれ
(えん)なりや、五月(さつき)たちける。
よ、擁護(おうご)をたれたまへ、
あまりに幸のおほければ。

やがてぞ花は散りしぼみ、
艶なる時も過ぎにける。
擁護をたれたまへ、
あまりにつらき災(とが)來そ。

春 / Frühling
パウルバルシュ 上田敏 訳
Paul Barsch



私は今、
古びたクロックスをはき、
つかれた上着をきて庭を歩みながら
擁護をたれたまへ
あまりにつらき災な來そ と祈ります。
 

6 件のコメント:

  1. お久しぶりです!コメント欄が開いてて良かった!^^
    素敵なお庭ですねえ~♡ 輝いています!NatsuちゃんもGomaちゃんもいい味出してます!!自然の豊かな営みを感じる季節ですね。過ぎていく事を止めることはできませんが、それを嘆くより、この恵みを目いっぱい享受したいです。二人の老女の祈りと願い、これはすべての人に通じるものですよね。素敵な詩の紹介ありがとうございます。
    門柱?に垂れているバラはなんと言う名前ですか?薄紫色にも見えるのですが。うちの庭ももう少しバラを増やしたいなと思っています。なんといってもやはりバラは見ごたえがありますね!

    返信削除
  2. cosmosさん こんにちは。
    いつも嬉しいコメントを頂きありがとうございます。
    Goma も Natsu も私のシャッター攻撃にうんざりの顔が似ていて面白いでしょう。
    私達はまだ二人の老女ほどの年齢ではないですが、この気持ちわかりますね。
    また、あまりにも多くの花がひと時に咲いてしまうと、なんだか先が怖いという気持ちも。
    産まれる時代や国が全く違っても、人間の心はそれほど変わらないと多くの人が信じられれば、戦争などなくなるかもしれないですね。 ピンクの花はSpirit of Freedom オレンジの花はPat Austinです。 バラはほんとうに多くの種類があり、新人さんを迎える時はいつもドキドキします。 cosmosさんちに迎えられる新人さんのご紹介を楽しみにしていますね !




    返信削除
  3. バラいいですね。手間がかかると聞いて植えたことないですが、時間ができたら植えてみようかと思います。近所にもたまにきれいにバラを植えているお庭があります。。

    返信削除
    返信
    1. cocominoさん こんにちは。
      沢山のお野菜を上手に育てられる 緑の手を持つcocominoさんでしたら、
      きっと素晴らしい花を咲かせられると思います。 是非、お好きなバラを!

      削除
  4. Anzuさん
    最近ブログ更新さぼり気味なのに、いつも私のブログのコメント一番乗りありがとうございます。
    NatsuちゃんもGomaちゃんもおとなしくしてて可愛いですね。うちのモンは植物(花)を見るといつも丸かじりしてしまい、植物を室内に置けない生活でした。あの世でも植物を好きなだけかじっていると思います。
    5月は僕の誕生月なのですが、ひいき目に見ても5月が一番好きな月です。気候が良いし、木々が芽吹くし花も見ていて飽きませんね。バラが素敵です。

    ここ最近暑い日が続いたと思うと朝夕気温が下がる日がやってきます。お体ご自愛ください。
    Yoshi

    返信削除
    返信
    1. Yoshiさん こんにちは。
      世界のどこにおられても、お忙しそうでも、親しくして頂いているお仲間のブログが更新されると
      お元気でお過ごしだぁ(*'-'*) とホッとしています。
      オレンジキャットの彼は「草食べホ」にもそろそろ飽き、また猫に生まれ変わり、
      道端でYoshiさんに ひと声 ニャ~ と泣いてほしいものです。


      削除

Thanks for coming !